井上ミウ ダンス


メディア出演歴

NHK 「YOU」いきいき少女図鑑 1日密着ドキュメンタリー

NHK「YOU」ラフォーレ原宿でのソロ公演特集

NHK「青年の主張」CM出演

NHK「燃えてトライアル」出演

日本テレビ「鶴太郎のテレもんじゃ」出演

東京12ch(現・テレビ東京)「おはようスタジオ」

永作博美ソロ公演にパントマイマーとして出演

 

 


魂の変容

14才の少女は、息をすうっと吸って
体育館の舞台に立った。

文化祭の演目は戯曲。

演劇経験は無し。入部して一か月で急に回ってきた代役。

それなのに何故か体は、
そこに観客としている

全校生徒の呼吸に合わせてセリフを吐けば
自らの声は体育館の一番遠くの扉まで届くことを知っていた。

「目の前にある変性意識の集合体… そこに自らを捧げることを知っていたんです」


思春期ならではの残酷な人間模様の真っただ中で、

魅力をふりまく人気の女の子、

一方で理由もなく髪をつかまれる

大人しい男の子もいる。

 

「それっていったい何なんだろう

でもひょっとして、
人から人へ向かうベクトルの強さって意味では同じで
単に向きが違うだけなんじゃないかって

そう気が付いたその時
いつもの帰り道の角を曲がった瞬間
光が溢れて

あ、私、舞台に立とうって思ったんです」


井上ミウは、思い出したのかもしれない。
古い記憶、
人々や、生きとし生けるもの、それらを包む大地に、流れる水に、祈りを捧げてきた日々を。
もしくは、
ずっと先の未来でも行われている営みの中を抜けて、今ここに戻ってきているのかもしれない。


そして
自らの身体が舞うことで、
すぐ先にある共鳴している魂を少し揺らして
その鼓動の一番柔らかな部分に触れることも

 

小さな瓶に詰めた、重ねた香りが
何物にも浸食されない強さをもって
その香りの持ち主の
心の麓まで下りていって
傷ついた庭を美しい緑で埋めていくように
働きかけることも

 

 

同じ祈り
同じ捧げものをし続けているんだと言う。